個人のDNA配列は変えることができませんが、治療によって遺伝子の配列が改善されることはあります。補給によってNAD +(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の濃度を上げることもその一つです。

DNA損傷を受けた細胞は、突然変異によってがん細胞になることがよくあります。我々が生まれながらにして備わっているがん細胞を抑制する遺伝子は損傷を受けると機能しなくなる。そのため、細胞の異常増殖に歯止めがかからず細胞はがん化することがあります。健康な状態の場合、細胞のDNAが損傷を受けると、損傷したDNAにポリADPリボース(PAR)が付加され、その細胞は分裂をストップします。損傷したDNAを修復できれば、その細胞は正常な分裂を続けることができます。DNA損傷があまりにも大きいと、その細胞はアポトーシスによって細胞が破壊され、死にます。

極端にひどい急性のDNA損傷を受けた細胞は、壊死という抑制不能かつ厄介なプロセスによって死にます。これは隣接細胞に悪影響を及ぼし、場合によってはさらに大きな巻き添え被害をもたらします。PARというポリマーが形成されると、NAD+が激減することがあり、NAD+が激減し、なくなると細胞は1から2分以上生き続けられないので細胞死が生じます。

ポリADPリボース(PAR)はNAD+を前駆体とするポリマーであり、そのNAD+はビタミンB3(ナイアシン、ナイアシンアミド)からできています。PARはとくに、DNAの損傷発生に反応して産生されます。こうした損傷は、がんの放射線治療、太陽光の紫外線、多くの化学療法、その他のDNA損傷性環境有害物質によって生じるものです。DNA遺伝子のダメージ、それを修復するのにはNAD+が必要です。

DNA損傷がひどい場合、十分なビタミンB3がなければNAD+が欠失し、アポトーシス(プログラミングされた細胞死)や、もっとひどいDNA損傷の場合は壊死によって細胞が破壊されるおそれがあります。私たちの身体には40兆の細胞があると言われています。その一つ一つの細胞のDNA遺伝子が毎日、数十万箇所にダメージを被っております。それを修復するのにどれだけの大量なNAD+が必要か計算してみましょう。

 

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