新型コロナ後遺症による倦怠感の特徴と治療法について

新型コロナ後遺症による倦怠感の特徴と治療法

新型コロナウイルスに罹患した後、だるさや倦怠感が続いている方が増えています。特に、コロナの症状は軽かったのに、後遺症としてだるさが長引くことが問題となっています。この記事では、新型コロナ後遺症による倦怠感の特徴とその治療法について詳しく解説します。

新型コロナ後遺症の倦怠感・だるさの発生率

日本での実態

日本でも、新型コロナウイルスの後遺症として倦怠感に悩む方が多くいます。東京都の調査によると、コロナ後遺症として最も多い症状が倦怠感であり、その割合は51.6%に上ります。また、後遺症により日常生活に支障をきたす方も多く、その影響は深刻です。

海外でのデータ

2023年に発表されたデータによると、コロナ罹患後3か月後の倦怠感・疲労感の発生率は以下の通りです。

症状 デルタ株以前 デルタ株 オミクロン株
疲労感・倦怠感 35.3% 34.5% 36.6%
筋肉痛 19.3% 13.2% 16.5%
関節の痛み 14.5% 12.0% 14.2%
すっきりしない睡眠 26.5% 24.4% 26.0%
睡眠障害 28.3% 25.8% 29.7%
物忘れ・記憶障害 17.3% 11.6% 11.0%
思考や集中力の低下 15.4% 12.1% 11.0%
めまいや失神 7.9% 5.8% 6.1%
疲労重症度スコア ≥25 16.7% 11.5% 12.3%

これらのデータからも、倦怠感が非常に高い割合で残ることがわかります。

新型コロナ後遺症の倦怠感・だるさの特徴

① 集中力や持続力の低下

新型コロナに罹患した後、集中力や持続力が続かなくなることが多く報告されています。具体的には、仕事に取り掛かるまでに時間がかかり、一度取り組んでもすぐに疲れてしまうという症状です。

② 睡眠障害

新型コロナに罹患した後、睡眠リズムが乱れることがあります。疲れているのに眠れない、深い睡眠が取れないなどの症状が見られます。

③ 筋肉痛や痛み

倦怠感とともに筋肉痛や痛みが出ることがあります。特に四肢の太ももやふくらはぎ、上腕などに症状が現れることが多いです。

④ 不安やうつ症状

コロナ後遺症として、不安やうつ症状が出ることもあります。これは精神的なストレスが大きく、心療内科や精神科との連携が必要になることもあります。

⑤ 記憶障害

コロナ後遺症として、記憶障害や物忘れが起こることがあります。特に若年者に多く、学業や仕事に支障をきたすことがあります。

免疫療法の食事の重要性

コロナ後遺症の倦怠感に近い「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」

ME/CFSの特徴

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、コロナ後遺症の倦怠感と似た症状を持つ病態です。以下のような特徴があります。

  • 6か月以上続く強い疲労感
  • 休息しても軽減されない
  • 労作後倦怠感(PEM)
  • すっきりしない睡眠
  • 認知障害や起立不耐症

これらの症状は、コロナ後遺症と非常に似ています。

新型コロナ後遺症の治療法

抗ウイルス薬

抗ウイルス薬の使用により、後遺症の発生率が減少することが報告されています。例えば、パキロビッドやゾコーバ®などがあります。

ワクチン接種

ワクチン接種により、後遺症の発現率が下がるという報告もあります。2022年の論文では、ワクチン接種により後遺症発現が8.8%~12.8%低下したとされています。

漢方薬

漢方薬も倦怠感に対する有効性が示唆されており、小規模ながら研究が進められています。

ナルトレキソン

ナルトレキソンは、本来麻薬中毒やアルコール依存に対して使われる薬ですが、コロナ後遺症にも効果があると考えられています。

抗アレルギー薬

抗アレルギー薬(ファモチジン、抗ヒスタミン)も、コロナ後遺症の治療に試みられています。

EAT(Bスポット療法)

咽頭に塩化亜鉛という消炎作用のある薬を直接塗布する治療法であり、日本中心で行われています。

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まとめ
新型コロナウイルスに罹患した後の倦怠感やだるさは、多くの人にとって深刻な問題です。この記事では、その特徴と治療法について詳しく説明しました。当院でもコロナ後遺症の治療を行っており、患者さん一人ひとりに適した治療法を提供しています。コロナ後遺症でお困りの方は、ぜひご相談ください。