NAD⁺はビタミンB群のナイアシンに含まれる成分の一つで体内に生成されていますが、年齢とともに減少し、臓器や細胞の機能低下を引き起こします。
NAD⁺療法とは、NMNやNMNの前駆体であるNAD⁺を直接静脈内に点滴により投与することで、効果的にNAD⁺濃度をあげ、細胞を活性化させて記憶力向上や慢性疲労の回復、運動機能の向上に効果を発揮します。
NAD⁺(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、人間を含む哺乳類、植物、細菌などの生体細胞に広く存在する補酵素です。1906年に発見されたこの物質は、ヒトの細胞で起こる500以上の化学反応に関与し、生命活動に不可欠な役割を担っています。NAD⁺は加齢とともに減少し、エネルギー生産やDNA修復、老化などに重要な影響を及ぼします。
NAD⁺はサーチュインなどに働きかけ生命維持における多岐にわたる役割を果たしています:
● DNAの修復と保護: DNA損傷後の修復に必要なのみならず、遺伝情報を安定に保つことで老化を防ぎ疾患を予防しています。
● エネルギー代謝: TCA回路や電子伝達系などのエネルギー生産経路で中心的な役割を果たします。
● ミトコンドリア機能の維持: 細胞のエネルギー工場とも言えるミトコンドリアの機能を支えます。
● カルシウムシグナリングの維持: 筋肉や神経の働きに不可欠なカルシウムシグナル調節に働きかけます。
NAD⁺量は加齢や疲労、酸化や炎症など様々なストレスにより減少します。NAD⁺の減少は、身体機能、認知機能に影響を及ぼし老化を促進させ糖尿病などの生活習慣病、神経変性疾患など多くの病気を引き起こします。長寿に関連するサーチュインや損傷したDNAを修復する酵素PARPなどはNAD⁺の存在に依存しています。NAD⁺を増やすことで老化や加齢に関連する多くの病気を予防し、進行を遅らせることが期待できます。このことからNAD⁺は、健康を維持し病気を予防するなど次世代の治療法として期待されています。
近年、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)が注目を集めていますが、NMNはNAD⁺の前駆体であり、体内でNMNがNAD⁺に変換されることで効果を発揮します。よってNAD⁺の方が、より早くダイレクトにその効果を実感できます。
国内ではNMNの点滴やサプリメントの内服が人気ですが、欧米ではNAD⁺の直接投与による点滴療法が普及しています。この方法はNAD⁺を効率的に増加させ、若返り効果が期待されています。以前は、NAD⁺は分子が大きすぎて細胞に取り込まれないといわれていましたが、最近の研究ではNAD⁺が直接細胞に取り込まれ、その効果を発揮することが明らかになっています。
● エネルギー産生・代謝改善
● サーチュイン活性化
● DNA修復/テロメア延長
● 抗酸化 / 抗炎症 / 抗糖化
● 化学物質解毒
● マイトファジー (ミトコンドリア修復)
● ミトコンドリア活性化
● 免疫機能回復
● 再生機能回復
● 概日リズム(睡眠・覚醒サイクル)の調節
● 慢性疲労 / 倦怠感
● 時差ボケ / ジェットラグ
● 二日酔い / アルコール代謝
● うつ症状/ 不眠
● コロナ後遺症
● 脳神経機能改善(アルツハイマー病・パーキンソン病・認知症など)
● 視力・聴力
● 心疾患
● 血圧 / 動脈硬化
● 高脂血症
● 血糖・糖尿病
● 肥満・メタボ
● 脂肪肝・肝機能改善
● 運動能力向上
● 虚弱・フレイル・ロコモ・サルコペニア
● 骨粗鬆症
● 慢性痛 / 線維筋痛症
● ED / リビドー低下
● 更年期(男性 / 女性)
● むくみ / 冷え性対策
● 首こり / スマホ症候群・肩こり / 腰痛
● 感染症対策
● 髪再生・肌再生
● がん予防
NAD⁺点滴の推奨される投与頻度は、50~100mgを1〜2週間ごと、もしくは100〜200mgを2〜4週間ごとです。効果を早く感じたい場合は、連日投与(5日間)が有用とされていますが、効果の持続時間には個人差があります。
NAD⁺点滴の副作用には、胸部の熱感や動悸、息切れ感、吐き気、のぼせ感、頭痛、脱力感などがありますが、これらは一般に一時的です。副作用が強い場合は、投与量の調整や点滴速度の調整により症状の軽減が期待できます。妊娠中や授乳中の方、小児への安全性は評価されていませんので、これらの条件に該当する方は投与を避けるべきです。
NAD⁺点滴は日本では未承認医薬品であり、国内承認医薬品としては使用されていません。しかし、医師の責任のもとで使用することが可能です。
NAD+ 量 | 価格 |
---|---|
100mg | ¥80,000 |
200mg | ¥150,000 |
300mg | ¥200,000 |
10mg追加ごとに | + ¥7,700 |
当院で対応している治療物質の一覧です。
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