日本人の平均寿命は戦後格段に延長してきています。 これは平均寿命というものが生活環境の改善や医学の進歩による 新生児や若年者の死亡を減らすことによって伸ばすことができたからです。 これは大変喜ばしいことではありますが、ここにきて社会に大きな問題が生まれています。 「寝たきり/介護問題」です。 老年学(老化研究)のテーマには「健康寿命」と「最大寿命」があります。 最大寿命については、実のところあまり延長されていません。 最大寿命は1997年にお亡くなりになったジャンヌ・カルマンさんの122歳164日です。 次にアメリカのサラ・ナウスさんの119歳97日、田中カ子さんの118歳149日と続きます。 それ以下の長寿のほとんどの方が115歳~117歳に集中していることを考えると 人間の最大寿命には限界があると考えられるようになっています。 最新の研究では120~150歳の間であろうと考えられています。 最大寿命については医学的/科学的に大変興味のある部分ではありますが、 社会的問題や人の幸せ(QOL:生きる価値)という問題を含んでいるのは健康寿命の方だと思います。 WHOが2000年に提唱した健康寿命の定義は 「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」 というものです。 「寿命と健康寿命の差」は、言い換えれば 「日常生活が制限されながら生きる期間」 といえます。 私は人生において重要なのは「やりたいことをやり尽くすこと」ではないかと考えています。 「どれだけ長く生きるか」を目標にするよりも、 一度きりの人生を最後までチャレンジと楽しみで埋め尽くす人 が幸せであったと感じるからです。 やりたいことをやり尽くすためには「健康な身体」は必須です。 健康な身体がなければ、人生は楽しめません。 また、不健康はあなたからもっとも大切な「時間」を奪います。 慢性疾患の治療のために多くの時間を奪います。 肉体の衰えは日常生活にかかる時間を延長し「旅」の楽しみを奪います。 消化管機能の低下は「食」という楽しみを奪います。 身体的な見た目の衰えは「ファッション」や「関係性」の楽しみを奪うかもしれません。 当院が目指すアンチエジング/若がえり医療とは 人が老化を認識する「臓器系」「体幹系」「皮膚系」という方向性をバランスよく整えることによって 「人生を楽しみ尽くす」「やりたいことをやり尽くす」ことを 目標にした医療です。